名前 | 和名:椰子鸚鵡(やしおうむ) 英名:Palm Cockatoo 学名:Probosciger aterrimus |
分類 | オウム目オウム科ヤシオウム属 |
原産地 | オーストラリア |
分布 | パプアニューギニア、オーストラリアのヨーク岬半島 |
サイズ | 55~60cm、600~1000g |
羽色 | 雌雄で違いはない 体は黒、頬が赤 |
食性 | 植物食性、果実、木の実 |
寿命 | 50~60年 |
価格 | 1,500,000円~2,000,000円 |
「鳥界のパンクロッカー」 ヤシオウム【Probosciger】※絶滅危惧種
ヤシオウムの生態・分布
ヤシオウムは、紅色の頬と黒っぽい大きな体のオウム科の鳥です。
オーストラリア、ニューギニアの熱帯雨林や草原に分布しています。
食べ物は果実や木の実で、その名のとおり大きな嘴で硬い木の実を割って中身を食べます。
ヤシの実などの種子を主食にする大型オウムです。
近年は生息地の減少で個体の数を減らしており、絶滅危惧種に指定されています。
減少の要因のひとつに、とてもスローペースな繁殖期間もあげられます。
産卵周期は2年に1回で、1つしか産卵しません。
抱卵に要する期間は約1ヶ月、孵化した後も雛が成長して巣立ちするまでおよそ3ヶ月ほどの期間がかかるということも数を増やせない一因にもなっています。
絶滅のある種類としてワシントン条約のサイテスI類に登録されているため、購入、飼育には所定の手続きが必要です。
ヤシオウムの雌雄の判断
雌雄で外見の違いはあまりありませんが、雄のほうが雌より冠羽が長いようです。
オス・メスが並んでいると見分けられるかもしれません。
ヤシオウムの性格・形体
若干人見知りな面もあるそうですが、基本的に社交的で人懐こい性格をしています。
飼い主にはよく慣れ、愛嬌たっぷりの可愛い姿をみせてくれます。
手乗りに育てられたヤシオウムは人に懐き、愛情を求めるので、毎日放鳥してコミュニケーションをとるようにしましょう。
知能が高い鳥なので、寂しさを感じるとストレスから体調を崩してしまうことがあります。
頬の色は精神状態や健康状態を表していますので、よく観察しましょう。
ヤシオウムは「鳥界のパンクロッカー」とも呼ばれています。
オスは、足を木の幹に踏み鳴らして、求愛をアピールします。
鳴らす時は、鉛筆ほどの長さに折った小枝などを足でつかみ、頭を深く振るので、まさにロックバンドのドラマーのようです。
とさかのような羽毛が逆立て、翼を広げたり、鳴き声を上げたりすることもある歌やダンスは勿論のこと、折った小枝等を止まり木に打ち付けて音を鳴らし、独特の等リズムを刻んで求愛します。
チンパンジーなど霊長類が手足など体の一部を使って音を出したり、餌を取るために道具を使ったりする例は知られていますが、鳥類が道具をつかって音を鳴らすという行動が確認されるのはヤシオウムだけです。
ドラムスティックで演奏する黒い外見のヤシオウムはまさにパンクロッカーですね。
ヤシオウムの鳴き声
密林でコミュニケーションをとるため鳴き声は変化に富んでいて様々な鳴き声を発します。
珍しいオウムで飼育している人はあまりいませんが、動物園などで飼育されています。
夕方によく鳴くそうなので、機会があればゆっくり観察したいですね。
ヤシオウムの寿命
寿命は50年~60年といわれています。
しかしまだ解明されていないことも多い鳥ですので、すべてが明らかになっているわけではありません。
大型オウムは長命ですので、飼育条件によってはもっともっと長生きかもしれません。
ヤシオウムのケージ・適温
大型の鳥ですので、翼を広げても十分な広さのあるケージを用意し、太目の止まり木が必要です。
おもちゃでもよく遊びますので、ときどき入れ替えてあげると飽きずに楽しんでくれます。
つかんで遊ぶタイプのおもちゃが好みのようなので、沢山用意してあげたいですね。
クチバシで硬いヤシの実を砕いて食べるのはストレス解消にも繋がるため、ヤシの実を殻つきで入れてあげるましょう。
まとめ
動作はおっとりしていて、鳴き声も仕草もとてもかわいらしいのでコンパニオンバードとして素晴らしい鳥さんですが、希少性が高く、繁殖も難しいため、入手は非常に難しいです。
体も大きく、またとても高額なので、簡単に飼える鳥さんではありませんが、知れば知るほど魅かれてしまう、そんなオウムです。