名前 | 和名:天竺巴旦(てんじくばたん) 英名:Long-billed Corella 学名:Cacatua tenuirostris |
分類 | オウム目オウム科オウム属 |
原産地 | オーストラリア |
分布 | ニューサウスウェールズ南部、ビクトリア中南部 |
サイズ | 38~42cm、450~620g |
羽色 | 雌雄で違いはない 全体は白、顔と額は赤色、胸と腹は赤みがかったピンク色 |
食性 | 雑食性、根、種子、球茎、球根、昆虫 |
寿命 | 40~50年 |
価格 | 800,000円~1,100,000円 |
オウムの中で最もお喋り上手 テンジクバタン【Cacatua】
テンジクバタンの生態・分布
テンジクバタンは、オーストラリアの固有種で、1970 年代以降、メルボルン、ビクトリア州に生息域を広げ、現在ではタスマニア州 、南オーストラリア州 、クイーンズランド州南東部でも見られるようになりました。
オーストラリアでは、テンジクバタンがアカビタイムジオウム、キバタンと共に行動するのが見られます。
中型で白くずんぐりとした体に、長い上くちばしと淡い灰色から青色のアイリングが特徴的です。
木の実や根を掘るために非常に長いくちばしをしています。
牧草地、農作物畑、都市公園などの草が茂った森林や草原に棲み、食性は雑食で、上の長い嘴で上手に土を掘りエサを探して食べます。
地上性の植物であるネギの仲間、樹上の木の実や枝穴にすむ昆虫等を食べています。
「天竺」はインドのことですが、テンジクバタンの原産地はオーストラリアなので、なぜテンジクバタンと呼ばれるようになったのか、由来は不明です。
アカビタイムジオウムとよく似ており、間違えられることありますが、別の種であり、見分け方は首のオレンジ色のラインです。
テンジクバタンの首にオレンジ色のラインがありますがアカビタイムジオウムにはありません。
なにより、嘴の形が違います。
テンジクバタンは他のオウム類と違ってとても長い嘴をしています。
求愛行動として、オスがメスに体をくっつけたり離れたりのアピールをして、ペアとなります。
テンジクバタンは一夫一婦制で、ペアになると巣を準備し、卵を温め、雛に餌を与えます。
巣は大きな古いユーカリの空洞に作られますが、緩い砂利の多い崖の空洞に巣を作ることもあります。
卵は朽ちた木の裏地の上に産み付けられます。
テンジクバタンは、特にビクトリア州西部と西オーストラリア州で農業害鳥とみなされています。
農作物に深刻な被害を引き起こすことがあり、道路脇のアスファルトを引き裂いて遊んだり、電線に損傷を与えたりすることで知られています。
西オーストラリア州・ビクトリア州では、テンジクバタンの殺処分に対する許可が定期的に発行されています。
ニューサウスウェールズ州内では、地面に大きな穴を掘ることテンジクバタンは、スポーツ場やゴルフコースでも最も一般的な害鳥です。
2019年7月、南オーストラリア州アデレードで、約60羽のテンジクバタンが「空から落ちてきた」後、中毒死のような状態で死亡しました。
テンジクバタンは泣き叫び、口から血が流れていたといいます。
毒物検査が実施された後、誰が毒を盛ったのか解明されることが期待されていました。
死亡現場を目撃したキャスパーズ・バード・レスキューの創設者のサラ・キング氏によると、オーストラリアでは毒物を購入する場合は登録が義務付けられており、また、この毒はゆっくりと侵される種類のもので、鳥を殺すには数週間の苦痛を伴うと述べました。
さらに、地元アレクサンドリーナ市議会は以前、農作物の被害、街灯や電線の噛みつき、インフラ(建物やスポーツ用品など)の損傷、他の在来種の鳥類との不当な競争を理由に、テンジクバタンの定期的な殺処分を許可していたことを発表しています。
この記事を読んで、筆者はとても悲しくなりました。
害鳥として、地元に被害を与える存在なのはわかりますが、駆除するとしても数週間も苦しめるような毒物で惨殺するのは絶対に同意できません。
いつもクジラの件で偉そうに批判する国ですが、鳥にこんなことをしています。
テンジクバタンの雌雄の判断
テンジクバタンのオスとメスは同色で、外見から雌雄を判別することはできません。
オスの方が少しメスより大きいので、ペアだとサイズで見分けられる場合があります。
また、オスの虹彩はほぼ黒ですがメスは赤褐色なので、近づいて観察するとわかります。
テンジクバタンの性格・形体
非常に賢い鳥です。
特におしゃべりが得意で、単語や文全体をほぼ完璧に模倣する能力をもつ個体も多くいます。
オーストラリアのオウムの中でも、すべてのオウム目の中でも最も「おしゃべり」であると言われています。
明るく甘えん坊な性格で、よく人に懐き、カキカキなども大好きです。
人の手のところに自ら頭を持ってきて、カキカキを催促してきます。
おねだりされたら、よほどの理由がない限りかまってあげましょう。
頭がいい分、かまってもらえなかったときは大きなショックを受けてしまいます。
オーストラリアでは害鳥といわれるほどたくさん生息していますが、日本では珍しく、普通のペットショップなどではほとんど見かけません。
テンジクバタンの鳴き声
テンジクバタンの鳴き声は、ギャーギャー、クェークェー、ヂーヂヂー、ギーギーととても耳障りな鳴き声を発します。
激しい金切り声を組み合わせたような鳴き方をするので気になる人にはとてもうるさい鳥です。
テンジクバタンの寿命
寿命は40~50年ほどです。
飼育下ではさらに長寿な個体も多く、人間と同じほど長生きするともいわれています。
テンジクバタンのケージ・適温
羽を広げて余るくらいのサイズの体の大きさに見合ったケージを用意してあげましょう。
丈夫な素材のケージでなければ、強いクチバシであっというまに破壊されてしまいます。
また、とても賢いので、鍵をあけて脱走しないように注意してください。
適温は、人間が快適に生活できる温度帯であれば、同じ室温での飼育で問題ありません。
幼鳥、老鳥、病気の時は様子を見ながら適宜温度調整をしてあげましょう。
まとめ
とても頭の良いオウムで、おしゃべり上手で芸達者なので、一緒に遊んだりコミュニケーションを取りたい方にはとても良いパートナーになってくれるでしょう。